「余命10年」小坂流加 文芸社文庫NEO
■10年、長いか短いか
「ほんやら」を始めるにあたって、最初に書くはずだった一冊ですが、うっかりしていました。
主人公、女性。不治の病により余命10年を宣告される。ちょうど自分に病気が見つかり「長生きはできないよ」と言われた頃に出会った一冊。ただ違うのは、自分がいい歳のおじさんなのに、余命宣告された主人公は20歳だったということ。この一点が喜劇と悲劇を分けたりします。いや喜劇を生きてるとも思わないけどね。
普段なら手に取らないだろう本です。泣いちゃうからね。でも二十歳前後の人にはちょっと薦めたいかな。意外と身近に「死」は転がってます。だから、今生きてる人は、やりたいことに向かって努力してほしい。やりたいことが見つからなくても構わないけど、あと10年、5年で死ぬとしたらそれまでに経験しておきたいことは何かを考えてほしいと思います。
自分が死ぬと思うと刹那的になりそうな気もするので、幸福になるためには「自己への執着」を「他者への関心」に切り替える必要があるといっているアドラーあたりも併せてお勧めしておきます。蛇足か?
<2018/11/09>