ほんやら

「君のクイズ」小川哲(著) 朝日新聞出版

■それでも人生に「ピンポン!」と応えてほしい?

クイズ番組『Q-1グランプリ』決勝に出場した三島玲央は、対戦相手・本庄絆がまだ一文字も問題が読まれぬうちにボタンを押し正解し、優勝を果たすという不可解な事態を訝しむ。いったい彼はなぜ正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝を1問ずつ振り返る三島はやがて──。(帯より)

 いわゆるゼロ文字押し。果たして、これはヤラセなのか?

 ヤラセ。つまり番組側が本庄を勝たせるために問題を伝えていたということなら面白くないし、ではそれ以外の理由に何があるのか?という一択で進むのはやや単調。本庄に借金があるなど、お金を必要とする理由が描かれればもしや?という揺らぎも出てきたかなどとも思います。
 結果として、謎は解明されますが、納得はできるけど、凄い理由でもないという…。ゼロ文字押しのスタートからすれば、竜頭蛇尾な感じ?


 三島にとって「クイズをすることの一番の魅力は、クイズが僕の人生を肯定してくれることにあった」「『ピンポン』という音は、クイズに正解したことを示すだけの音ではない。解答者を『君は正しい』と肯定してくれる音でもある」(P.143〜144)

 ここら辺のエピソードはオノ・ヨーコの有名な作品≪天井の絵/イエス(YES)・ペインティング≫(1966)を想起させたりもします。

 心理学でいう承認欲求というやつでしょうか。

 これはマズローの欲求5段階説というのに基づいてます。
第1段階:生理的欲求
第2段階:安全欲求
第3段階:社会的欲求
第4段階:承認欲求
第5段階:自己実現欲求

 「段階」となっているように、その前段階が満たされないと次の欲求は出ません。…ということは、第3段階の社会的欲求、集団への帰属や愛情を求める欲求は満たされているんだなぁと。
 この第3段階って、満たされていない人はそれなりに多数いるような気がします。
 クイズを楽しむって意外にゼイタクかも?


<2023/5/23>

ほんやら

別亭日常
-Bettty NOTE-


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